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最近、大学病院で発生した耐性菌感染症

2018.8.9 気になる感染症

鹿児島大学病院で耐性菌による院内感染の集団発生がありました。多剤耐性アシネトバクター感染症です。この菌は緑膿菌などと同様、環境に広く存在する弱毒菌です。健康なヒトには感染しませんが、抵抗力が落ちた患者さんには時に脅威となります。もともと抗菌薬に耐性ですので感染症を発症すると有効な治療がありません。感染の拡大をできるだけ防ぐ事が大切ですが、緻密な細菌学的検査以外に実態をつかむことができず困難を伴います。

ところで過去にも多剤耐性アシネトバクター感染症の事例は複数あり、いずれも大学病院など大規模先進医療を担っている施設で発生しています。何故でしょう。

私が考えるに、このような感染症は院内感染に相当程度の関心を持たなければ発見できなく、また重症な疾患の治療を行っていると発症する危険性が大きくなるものです。大学病院はこのような感染症に遭遇する危険性が大きいのではと思います。